アンドレ・シマール

アクロバット研究開発スペシャリスト

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サーカスアート界で著名なアンドレ・シマールは、かつて自ら体操選手であり、芸術を学び、サーカスアクロバットを指導してきました。数百人以上のアーティストを指導し、シルク・ドゥ・ソレイユ等で数々の空中演技を考案し、自らの豊富な経験を活かして空中ブランコを新たなレベルまで引き上げました。 1987 年に Nouvelle Expérience (「ヌーベル・エクスペリエンス」)のために創作した高所の空中演技は革命的なものでした。

1970 年代の初め、モントリオールのグラフィックアート・インスティテュートで勉強する傍ら、カナダ体操全国チームのメンバーとして活躍していましたが、数多くの世界選手権に参加した後、 1972 年夏のミュンヘンのオリンピックでカナダ代表に選ばれました。

その後、カナダ体操男子チームのトレーナーとなり、同時にモントリオールのイマキュレ・コンセプション・センターでクラウンやストリート・エンターテーナーにアクロバットの初歩を教えました。 このイマキュレ・コンセプション・センターはその後ケベックで最初のサーカス学校の本部となり、数年後には世界的に著名なモントリオール・ナショナル・サーカス・スクールの創設へと繋がっていきます。

1987 年、サーカスにおけるアクロバット演技や空中演技の開発に情熱を傾けるため、スポーツ界でのキャリアに終止符を打ち、ここ 10 年近くの間にモントリオール・ナショナル・サーカス・スクールで数多くのアーティストを養成しました。また、フランスのナショナル・サーカス・スクールなど国外においても指導者として招聘され、世界中で研修や講演 を行いました。アンドレは約 20 年来シルク・ドゥ・ソレイユに貢献し、 1997 年からは常設クリエーションチームの運営メンバーを努めています。

サーカス分野での彼の成功はその人間的及び芸術的感性、そして技の修得に対する卓越した指導能力によると言えます。なかでも、アーティストの感情をどのように観客に伝えるかという指導に秀でています。

空中アクロバット演技におけるアンドレの大きな技術的貢献のひとつに、 1990 年初めに開発した安全ロープがあります。このロープにより、アーティストが難易度の高いアクロバット演技を最大限安全に快適に行うことが可能となりました。これは世界中の空中演技のアクロバットの障害を取り除くのに大いに貢献しました。

現在世界中で公演されているシルク・ドゥ・ソレイユのショーの空中演技の多くは、“エアリエル・シルク"という新しいサーカスアートの空中演技をクリエーションしたアンドレのお陰と言えるでしょう。《シルク・ドゥ・ソレイユでは常に革新性と新しさを追い続けています。それは私がいちばんすばらしいと感じていることです。》

シルク・ドゥ・ソレイユ での役割について教えてください。
主に制作中の新しいショーのための空中演技に関わるアクロバット・パフォーマンスのコンセプト担当です。

シルク・ドゥ・ソレイユ のアスリートへのアプローチはどんなものですか ?
シルク・ドゥ・ソレイユ に加わるアスリートは多様なアクロバット能力を持っています。アスリートとして何年もトレーニングを受けており、ショーの世界へのキャリア転向の準備はできています。アスリートに対するトレーニング��プローチは、出演するショーによって異なります。演出家やクリエーターの考え、及びパフォーマンスをする舞台によって変わってきます。最も重要なことはショーであるのはもちろんですが、各アーティストに合った個別のアプローチをとることによってそれぞれ独自のエネルギーを引き出させるように努めています。

クリエーションに対する考えをお聞かせください。
今日、全く新しい空中演技を編み出すことはますます難しくなってきました。 15 年来世界中に空中演技は大きく広がり、既に多くの方法が試されています。 YouTube などのコミュニケーションツールが拡大し、情報交換も容易になりました。

クリエーションと再考案は、違うものの組み合わせや混合、そしてニュアンスの違いに焦点が当てられるようになりました。ユニークなアイディアは見つけることがより難しくなっていますが、シルク・ドゥ・ソレイユでは現在新しいアプローチを開発中ですので、ご期待ください。

アクロバットコンセプト担当としてクリエーション中の新しいショーの演出家との協力はどのように行われますか ?
アクロバット担当、芸術担当に関わらずすべてのクリエーターは、他者と協力し合い、演出家の要求に応えなければなりません。ショーのクリエーションプロセスはアイディアを出し合うことからいつも始まり、実現することが難しそうなアイディアでさえも歓迎されます。できる限り考え抜いて、可能性の限界に挑戦します。この点が最も重要です。可能性を閉じてはいけません。演出家とクリエーションディレクターが目指す冒険に入って行かなければなりません。

シルク・ドゥ・ソレイユ の冒険に加わろうとする人にどんなアドバイスがありますか ?
心を開き、与え、吸収することです。レーニングスタジオが提供する可能性は無限で、素晴らしい条件が整っています。是非やってみるべきです。